Cloud時代のDigital Transformation 第2回
前回第1回で、Digital Transformationの重要なステップを記載しました。
おそらく多数のエッジの効いた方は、そんなこと面倒!と思われると思うので、少しだけ事前に解説しますと、私のアプローチは、下で紹介をしている本にある「デジタルマスター」になるためのアプローチとして「先端派」ではなく、「保守派」の進め方です。私自身は「先端派」です。だからこそ「保守派」のアプローチが大切である事がよく分かり、まとめたくなったという背景があります。
さて、ステップをおさらいしましょう。
1.大きな石を置く、いわゆるVisionを明確にする
2.適切なサイズでサービスを分割する
3.サービスの機能やSLA、ROIをクリアにする
4.サービスの連携とサービス内のバリューチェーンをクリアにする
5.サービス内のRACIをクリアにする
6.サービスを担当する組織を設計する
7. ROBを設計して、状況をモニタリングする
8.コミュニケーションプランを作り、ミスコミにケーションをなくす
これからそれぞれのステップについて解説していきたいと思います。
今回は、1.について解説します。
Visionを作る
Digital Transformationを「そこそこ」大きな会社で行うためには、利害関係者のうち必要と思う比率の人が数値的にも心理的にも、合理的と思ってもらえる「最大公約数」を見つけて、Visionを明確にする必要があります。
もちろんそれには、ストーリーが必要です。
そこで問題になってくるのが、全員をそこで救おうとすると、最大公約数をSharpにしてみてしまうと、意味の無いものになってしまうということです。例えば、世界は平和であるべきのような総論誰でもOKだが、実現が難しいものになってしまうということです。
Visionを作った後にMission等をつくるにあたり、Visionに付随した細かなな従業員のペルソナを意識したメッセージが必要です。
多くの企業が、改革を骨抜きのままで進めてしまう原因が、ここにあります。
総論賛成各論反対という点です。
もしTOPが本気でやるのであれば、各論について具体的なメッセージを出す事が大切です。
そうでないと、多くの人が疑心暗鬼になり、変化を受け入れないからです。
経営が危機的になっていないと、変化を受け入れられないという話が良くあります。
しかしながら、変化は平時に自らおこすものであり、平時だからこそ、変化した後のメリット、具体的には社員に再教育をしてRole変更や、OJTで新しいビジネスにチャレンジをするなど、人材戦略にオプションつけることができるため、危機が来る前の平時にTransformationは行うべきでしょう。
ペルソナが重要
従業員のペルソナを意識したメッセージを作る方法は簡単です。Before/Afterをイラストや漫画を通じて従業員がわかりやすいように説明することです。
経営陣はその内容を実現するために必死になってマネージメントをすることを約束し、それにより成果が出なかった場合は成果に対して責任をとる。その代わり従業員にはついてきて欲しいというメッセージを出すべきでしょう。
私が所属をする企業ではそのようなアプローチを取って改革を進めており反応は上々です。
次回に向けて
今回はMissionについて書きました。
次回は「適切なサイズでサービスを分割する」です。
このサービス型のチーム運営にすることの大切さと難しさ、そしてそれが出来た後の達成感とチームの強さについて、書いてみようと思います。
私が卒業をしたグロービス経営大学院大学が翻訳・監修した「デジタルシフト戦略」には私が経験からまとめた上記論点がそこそこ入っていますが、唯一「適切なサイズでサービスを分割する」だけが入っていませんでした。ここがDigital Transformationの肝となるので、次回をお楽しみに!
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