Digital時代の人材マネージメント

皆様こんにちは。

 昨日あるシステムインテグレータのManagerの方から相談を受けまして、雑談をしました。その際に使ったフレームワークを共有したほうが良いかなと考えまして、こちらにUpしたいと思います。

 Digital Transformationが進み、どの企業でも中途採用が増えてきた昨今、多くの人事部と管理職の方々は困っているのではないかと思います。

 特に性格や学歴で採用をする新卒採用を中心にしてきた日本社会において、中途採用のよい枠組みを持たれている企業が少なく、労働基準法で比較的雇用が守られている日本社会では、採用の入り口がとても重要だと考えられています。

 自分のチーム、企業に採用をするという視点で、私は今まで数百名の方と会ってきました。

 そこで特に重要だと感じたことは、「その人が卒業するイメージを持つこと」です。

 そして、その卒業をたどるイメージを持って人材マネージメントのフレームワークを動かすことがとても大切です。

 上記を踏まえて、今目の前にいる人を採用するかどうか決める事になると思います。

■卒業するイメージとは?

 卒業するイメージとは、そのチーム、会社、ポジションからなんらかの形で異動・退職をする形がどのようになるかということです。

 飽きてしまうので勝手に動く人、5年以上同じ事をやってやり遂げて悩んで動く人、言われればその通りに従うが自ら動かない人、言われても頑固に動かない人。。。その人が持つ人材マーケットでの価値が基となる、各々のリスク許容度をイメージするということです。

 その人の特性を把握し、いわゆるExit Planをイメージして、採用を決めるということです。

■人材マネージメントのフレームワークとは?

 中途社員の採用で最も重要なのはランプアップ期間です。その期間の経験が、後ほどその方の動きに大きな影響が出ます。

 中途で入るということはそれなりにプレッシャーを感じることであるため、その時に助けられた人に対して、「恩に着る」と感じる人が多いと思います。それが会社が提供する仕組みであっても、個人の親切であっても、その気持ちは忘れられないことでしょう。

 もしそこで良くない経験をすると、会社や組織への信頼感や愛が芽生えず、失敗をしてしまい、その失敗が会社へのマイナスの気持ちを増幅させてしまいそうです。

 

■それぞれのプロセスで行っておくこと

・採用

 前回のBlogにありますように、People Portfolioを決めて採用をすると良いでしょう。

・ランプアップ

 まずはランプアップ期間に、メンターをつけて、ゴール設定をして、そのゴールにミートしているか確認をして、安心感とチャレンジ感を同時に感じてもらいましょう。

・ランプアップ卒業試験

 ランプアップの卒業試験をし、強みを発見しそこを活かしたアサインをしつつ、弱みは適宜サポートしていくというのが、平社員であっても、部長クラスであっても、必要でしょう。

・育成

 具体的なJob Descriptionを基に、各自のPeople, Product(Service), Techinical のManagement能力をアセスメントし、他のメンバーとの相対比較をしながら、それぞれのメンバーにサービスやイニシアティブのオーナーをアサインすると良いでしょう。コンサルのリードをしていた時は、各メンバーにコンサルティングサービスのオーナーをしてもらっていました。

・評価

 仕事の成果、その人の持つスキル、成長力の3つの視点で評価をすると良いでしょう。偶然にも私が所属をしていたある企業ではこの基準で評価をしていました。

 スキルは上記育成と同じ軸である、People, Product, Technicalの3つ軸で評価すると良いでしょう。

・卒業

 それぞれの方の「リスク許容度」に応じて、後押ししてあげると良いでしょう。

■忘れてはいけないポイント!

 採用時に、Portfolioに加えて、性格を理解し、採用をすることが重要だと思います。

 性格を簡単に図にまとめますと以下のようになります。

 自分に厳しく他人に厳しい人は、かなりできる人ですが、まだ自信が足りないため、周囲に厳しくし、時に人を傷つけてしまいます。しかしながら、多くの場合パフォーマンスが良いため、成長事業には必要な人材であるケースが多いと思います。注意する点は、反対側にいるネコ科の猫を傷つけてしまう所です。この場合は、その上司が橋渡しをしてあげたり、それぞれの「自己承認欲求」を満たしたり、不安を取り除いてあげると良いでしょう。給与はピンキリで、本当に強い人に対して相当の給与を準備する必要があるでしょう。

 自分に厳しく他人に優しい人は、成熟した大人であり、ある特定の所で経験を積んで成功をしていると思います。多くの企業ではこのような人を必要としているのではないでしょうか。ただし、このような人材はどこの会社でも評価が高いため、給与はそれなりに準備する必要があるでしょう。

 自分に優しく他人に優しい人は、ガラスのハートながら自分の仕事の範囲がわかり納得をしているとしっかりやってくれます。上司次第で変わるのがこのあたりの人材です。平和が続いている日本に限って言いますと、このタイプが世の中の多数をしめていると思うので、ライオン上司の方がもしいる場合は気をつけましょう。

 最後に、自分に優しく他人に厳しい人は、採用時に要注意です。自己を大きく見せて、無いことをあったかのように説明するのが得意です。つまり、一見良さそうに見えたため、高い給与でそれなりに難しいポジションを任せてしまうという失敗をしてしまう可能性があります。重要なことは、「盛っていること」を見抜き、ポジションも給与も身の丈にあったものにすることです。

 「盛っていること」見抜く方法を1つお伝えします。面接中に過去の経験を語ってもらい、何故?具体的にどうやったの?その時相手はどう動いたの?そこからの学びは?のように事実をベースに深く突っ込んだ内容を聞くのが良いでしょう。

■総括

 さて、今回は重めの話になってしまいましたが、ここをしっかりやることが中途採用の成功の道だと思います。

 この内容は、私を育ててくれたManagerの皆様のアドバイス、そしてGlobisの同窓生のFeedback、さらにいつも仲良くして頂いているIT業界の仲間との仕事や日々の雑談をまとめたものにすぎません。関係者の皆様に感謝します。

 この内容が皆様のDigital Transformationを実現する一助になれば幸いです。

Shigeo Kagami Blog

こんにちは、Shigeo Kagamiです。 B2B ITビジネスを23年続けてきた中で、 そして日々感じる事から大切だと思う事を 共有していきたいと思います。

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