Cloud時代のDigital Transformation 第1回

 Digital Transformationを行うにあたり、皆様もどこをどうしたらよいのか試行錯誤されていらっしゃると思います。そのやり方を実際現場で行った経験を基に、お伝えできる範囲で共有していこうと思います。

 Focusは、ビジネスでなにをやりたいか決めるという点ではなく、それが決まった後にどのように進めるとうまくいく可能性が高まるかという点です。

 ビジネスの基本、創造性とマネージメントのバランスをとるためには下記の2点が重要になるのは皆様ご存じの通りでしょう。

1.ビジネスサイドでやりたいことを決める
2.実現する方法を決める

 Digital Transformationも何も変わること無く、今までと同じアプローチで進められます。


 さて、今日はこの2点から考えてみたいと思います。

 「ビジネスサイドでやりたいことを決める」について進める際、多くの場合、皆様は知見者から情報を収集されると思います。例えば、イベントに参加したり、よく知っている友人に聞いたり、場合によってはコンサルタントやベンダの営業から教えてもらったりしていませんか。

 私の仲間であるGlobis経営大学院の卒業生の中には、そんなことができる方が多数いるため、彼らに聞くのも1つの選択肢でしょう。

 Digital Transformationだから、新しい事をしないといけないと考えていらっしゃいませんか?実は旧態依然のアプローチでもそこそこいけると思います。今までの延長の思考、経験・勘・度胸でいってみるのも悪くありません。

 しかしながら、今までの経験が役に立たないケースがあるかもしれません。何故ならば、今までのテクノロジーではできなかったことが今では出来るようになっていることが増えており、過去に感じた制約条件が今は当てはまらない事が多いためです。

 おっ、マーケで習ったPESTのTですね。多くの人がスマホを使っている、PESTのTの変化により既にSも変わっているようです。

 そうなってくると、何をするかを決めると同時に「実現する方法を決める」がキーになってきそうですね。

 そこで、最近の多くのITベンダは、実現する方法を決めるの事例を見せる、つまりゴールと実現可能性を同時に見せることで、Digital Transformationを進めるビジネスパートナーになろうとしています。例えば、私が所属をしていたAWSでは、事例とリファレンスアーキテクチャを同時に見せることで、実現可能性が高いことを顧客に対して可視化しています。

 SaaSベンダは、いわゆる構築の部分の負担をユーザから取り除くことで、実現可能性を高くすることをサポートしているよう思います。

 では、ビジネスサイドでやりたいことを決めた後に、実現する方法決めるの両方についてのチャレンジについて少し深掘りしてみましょう。


ビジネスサイドでやりたいことを決める

 事例をもとに、多くの人がそれを「ある程度」実現できるようになります。中小企業にとって、今までは大きな投資ができない、人材がいないなど、様々なBlockerがあり、それらが取り除かれます。

 大企業にとっては、ある事業部がIT部門の支援無しにビジネスをスタートすることができるなど、社内にいながらも、中小企業的なアプローチができるようになります。

 自由闊達、スピード重視、Small Winの連続をできることが目に浮かびます。私がVMwareという会社の日本支社をみんなで立ち上げていたときと似ている雰囲気みたい。

 ある程度の規模までそのアプローチは続くと思いますが、多くの人が同じ事をするため、競争が激しくなり、今まで培ってきた会社の強みを最大限に発揮をして、ライバルに勝つというアプローチを取ることになりそうです。いわゆるマーケティングの基礎である、どのビジネスの土俵でどのようなポジションをとって戦うか決めるという事ですね。これについては、追って別のテーマで書きたいと思います。


実現する方法を決める

 今日の重要なポイント、実現する方法を決めるについて深掘りしましょう。

 まず、中小企業と、大企業ではアプローチが異なってきます。
 ※ここでどれくらいを中小企業、大企業と考えるかは皆様にお任せします。

中小企業のアプローチ

 中小企業は、単独で生き残る道がある場合、それに社運を賭けて進まれるのではないかと思います。または、連携できる仲間を見つけて、この組み合わせなくしてできないというサービスにさらに発展させて、勝負していくのかも知れません。もしそれが出来ない場合は、M&Aするか、M&Aされるかという話になっていくのでしょう。このあたりは、ベンチャーキャピタルやMeetupの運営に詳しい方々にお任せしたいと思います。

大企業のアプローチ

 大企業は、様々なリソースがあるため、中小企業と比較してチャレンジとなるポイントが異なってきます。そう、動いてくれないが優位性を持っている社内を動かすということがとても大切になってきます。

 社内を動かすにはどうしたらよいのか、皆様いつも考えていませんか?

 はい、私も皆様と同様にいつも考えています。

 そのアプローチについて、このBlogで紹介していこうと思います。

1. 課題を共有する

  • 課題を最大公約数を意識しSharpに特定する
  • 表面的な事象より、Root Causeまで深掘りする
  • 当事者意識を持ってもらう

2. Win&Winの空気を作る

  • 目的がわかりやすい
  • 会社の将来に必ずつながると感じる
  • 実現可能性を感じる

3. 仕組みで支援をする

  • はいりやすい
  • 日々のストレスが緩和されている
  • 成果を感じやすい

これくらいはしっかりやっておきたいですね。

今私は、楽天、Microsoft、AWS、VMware、Compaqにて私が行って来た仕事の原点を活かし、今所属している企業であるDwangoにてTransformationを実施しています。

さて、次回の第2回から、これを進める具体的なStepを連載していこうと思います。図示するとこんなイメージです。やはりStep by Stepは大切ですね。

今週2/16のデブサミでも、一部ご紹介する予定です。

どこかのタイミングで個別セッションを開いてみたい所です。

【16-A-6】 クラウド時代の組織変革の道 | Developers Summit 2018

デジタルトランスフォーメーションをする際に組織変革は必須です。 今、デジタル化の先頭を走ってきたドワンゴも、次のステップに進むためにRebornしています。 現在行っているRebornの生々しい内容に加えて、AWS時代に多くのお客様と接してきた中での学びを折り込んだ内容を皆様と共有したいと思います。 組織作り、組織改革、IT人材としてのキャリアに悩まれる方に聞いて頂きたいセッションです。株式会社ドワンゴ Dwango Cloud Service部 部長 現在、株式会社ドワンゴのインフラのリードとして、サービスと組織変革を行っています。2005年からクラウドのコア技術であるVMwareにてエンジニアやプロダクトマネージャとしてクラウドコア技術を立ち上げ、その後、楽天にて楽天優勝セールを支えるインフラを作り、AWSではコンサルティングチームの責任者としてクラウドコンサルティングの形を作った経験を活かし、現在はドワンゴにて日々活動をしています。グロービス経営大学院大学 GMBA2010 Copyright(C) 2017 SHOEISHA.Co.,Ltd. All rights reserved. 本サイトの掲載記事、写真、イラスト、問題コンテンツの無断転載を禁じます。 記載されているロゴ、システム名、製品名は各社及び商標権者の登録商標あるいは商標です。

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こんにちは、Shigeo Kagamiです。 B2B ITビジネスを23年続けてきた中で、 そして日々感じる事から大切だと思う事を 共有していきたいと思います。

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